モールテックスの下地

モールテックスの下地についてです。
モールテックスの特徴として「強度と柔軟性・防水性と意匠性」があります。
そしてすぐれた接着性があります。
木材やモルタル、石膏ボードは当然ながら塗装面、タイル、金属、ガラスなどにもつきます。

柔軟性があることで「弾性がある」と勘違いされていることがありますが、弾性はありません。
たとえば1枚の板がたわめばある程度はたわみに追従します。
そしてその板の中ではモルタルのように割れることはありません(乾燥・硬化過程での収縮がほぼないため)。
ただし接合部がずれると下地が動いているので、接合部が割れます。
セメント・石灰が主成分なのでゴムのように伸び縮みするわけではありません。
モールテックスの性能に頼るのではなく、動かない強固な下地が重要です。
コンパネや石膏ボードのジョイントはボンドとビスの併用でしっかり止めてください。
特に床暖房の仕上げとして使う場合は注意が必要です。
フィルムの暖房器具でその上にコンパネ貼りで最終的な仕上げがモールテックスということが多いです。
この時コンパネではなくラーチを使うことは避けてください。
床暖房に限らずラーチはモールテックスを塗り付けた時の水分でも板が暴れて、小口が膨らんだり平面でもちいさなクラックが発生します。
床暖房時のコンパネは厚いものを使うか、2枚を継ぎ手が重ならないように貼り重ねてください。
またモールテックスを塗るときにガラスメッシュのシートを伏せこむとより割れにくくなります。床暖房時は必須です。
パイン集成材も施工直後はいいのですが、経年変化で細かいクラックが入ります。
木材は下地の見極めが重要です。
ガラスメッシュを入れることをお勧めします。
ガラスメッシュは必ずモールテックスの膜の中に沈みこませてください。
また㎡あたりのモールテックスの使用量も通常より増えます。
可能であればOSBやMDFのようなパネルが最善と思います。
パネルで水廻りに施工するときは、板の接合部分に防水紙をいれることを推奨します。
ドイツ・シェルター社のものをお勧めします(水廻りプロ講習で使用しているものです)。

土間などでモルタルやコンクリートなどに施工するときはひび割れ防止の対策をしてください。
モルタルの養生期間を十分にとるなどです。
新設の場合はしっかりと水分を蒸発させてください。
そのうえでプライマーを塗布してください。
地面の上のコンクリートなどで湿気が昇ってくる恐れがあるところでは、プライマーにレジポックスWを使用してください。

床以外のパネルの接合部はファイバーテープなど、ひび割れを抑える物を入れてください。
とにかく接合部をできる限り固定してください。

タイルの上に施工する場合、特にリフォーム・リノベーションの時は下地の状態の見極めが大事です。
タイルの不良個所は撤去、下地に水分がないように乾燥させることが重要です。
水分があるまま施工すると色が変わったり、接着不良となります。
タイル目地部分のやせもガラスメッシュを併用することで防げます。

下地の状態を見極め、適切な素材で下地を作り、正しい施工をすれば素晴らしい仕上がりになります。
下地の作り方でお悩みの時はお気軽にお尋ねください。

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